医療機器の機器固有識別子システム – 第2部

共有:

UDIの概要とそれが重要である理由を確認しました。ここでは、どこでだれがUDIを使用しているのかと、「現状」について理解しましょう。

医療機器上のUDIキャリアの記載: UDIは、印刷、マーキング、無線自動識別(RFID)など複数の方法でデバイスのパッケージに記載できます。使用可能なデバイスにUDIを記載するために、デバイス本体へのダイレクト・マーキングをお勧めします。ダイレクト・マーキングを施すには、直感的な方法(ドット・ピン、エッチング、ダイレクト・レーザー・マーキングなど)と直感的でない方法(成型/鍛造、レーザー結合、ステンシル印刷、永久粘着ラベルなど)の両方を含めたさまざまな方法があります。

UDIを記載する場所または使用する技術に関係なく、デバイスまたはパッケージングの製造業者が、想定されている耐用年数にわたってUDIが読み取れるようにすることが重要です。ラベルまたはデバイス本体にUDIを記載すると、デバイスのリスク・ベネフィット比に悪影響を与えません。また安定性、生体適合性、および効率性にまったく悪影響を与えません。

iStock-1150671546

世界中でのUDIガイドラインの協調: 多くの管轄区域では、医療機器のトレーサビリティを向上させるために、UDIシステムの導入を確立したか、導入を検討中です。EU(新しいEU MDRの下で)、米国FDA、日本、中国、サウジアラビア、韓国はすべて、すでにUDI規制を公表しています。オーストラリア、カナダ、シンガポール、インドなどの国々では、同様の規制要件を検討中です。

世界中のさまざまな規制管轄区域でのUDIの協調が課題となっており、医療システムの要件を満たす管轄区域ごとのUDIDの仕様に大きな差異がもたらされてきました。国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)は、UDI規制の協調において重要な役割を果たしています。IMDRFは、複数の管轄区域にわたるワークグループを組織し、2013年以降に5つのUDI指針書を作成して、世界的なラベリング要件の一貫性向上を推進してきました。

IMDRFが発行した「機器固有識別子システム用途ガイド」に従って協調されたUDIシステムの基本的な要素には、以下が含まれます。

  • 標準化されたUDIシステムを開発する

  • パッケージ・ラベルおよびデバイスに人間および機械が可読な形式でUDIを記載する

  • 中心的なUDIデータ要素を機器固有識別子データベース(UDID)に送信する

  • UDIシステムの円滑な導入を確実にするために、「暫定的な導入の調整」を行う

機器情報の保存:UDIデータベースとは IMDRFの「機器固有識別子システム用途ガイド」によると、機器固有識別子データベース(UDID)はデバイス識別情報の指定されたデータソースです。UDIDはさまざまな規制管轄区域の下で、ヘルスケア分野のすべての関係者が自由に効率よくアクセスでき、管轄区域のデバイスに不可欠な情報がすべて含まれた中心的な医療機器マスター・データベースとして設計されています。UDIデータベースには、医療機器のパッケージ・レベル階層全体(使用単位、基本パッケージ、より高度なパッケージ・レベルなど)が含まれています。階層は特定のデバイスに関連付けられており、親子関係の構造になっている必要があります。デバイス製造業者は、UDID(米国FDA医療機器UDIデータベース)( EU医療機器データベース)への最初の提出と情報の更新を行う責任があります。

UDI発行体:世界的に認められているISO/IEC UDI標準規格は、GS1、HIBCC、ICCBBAなどのUDI発行機関/発行体として知られる国際機関が導入しています。これらの組織は、記号化システムの世界的な一意性とUDIの基準を維持する責任があります。製造業者は、使用するシステムを選択できるものとします。

現状 UDIシステムの基本的な要素を確立するには、すべての関係者がUDIシステムの目標を達成するための各自の役割を明確に理解していることが必要です。UDIシステムの確立を目指している規制当局は、基本的な規制要件と、国際標準規格としてのUDIのビジョンを確立する責任があります。規制当局に認定または承認されている発行機関/発行体は、関連する国際標準規格に基づいてUDIの一般的な仕様を定義する責任があります。製造業者は、発行機関の仕様に従って医療機器のグローバルに一意のUDIを作成し、維持する責任があります。販売業者、輸入業者、小売薬局、ヘルスケア供給業者、およびユーザーは、販売と患者への使用を通じて適切なデバイス識別を促進するための重要な標準規格としてUDIの可能性を高めることに著しく貢献しています。

共有:
コメント(0)
当社をフォローする: