この業界で長年過ごすうちに、私は二重滅菌遮断と一重無菌遮断のトレンドが何度も入れ替わるのを見てきました。この現象を興味深く思い、それは本シリーズを執筆する動機のひとつともなりました。ヘルスケア・パッケージングのバリューチェーンのさまざまな部分で業界の専門家と話し、パッケージ設計の視点から、このトピックに関する私の考えや経験を共有したいと思ったのです。私の知識と専門性を共有し、皆さんが次に無菌遮断システムを一重と二重のどちらにすべきかを話し合う際に、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるようにし、業界内でこのトピックについて議論が進むよう促進したいという願いを込めて、この記事を執筆しています。
個人的な意見ですが、多くの場合、一重無菌遮断にすべきか二重無菌遮断にすべきかという決定は、MDM分野の競合他社がどちらを採用しているかでも左右されます。多くの場合、競合他社は、パッケージングの良し悪しを考慮せずに、現在の市場をリードしているデバイスと似通ったパッケージ設計を求めます。つまり、一重無菌遮断と二重無菌遮断のどちらにすべきか決める際にすでに先入観があるのです。その場合、顧客の希望は当然、全体的なデザインに反映されます。
一重パウチまたは二重パウチ用のいずれに設計しても、特定の課題を考慮する必要があります。私のチームがパウチを設計する際に、まず第一に考慮することは、動きです。動きが大きいほど、デバイスが重くなり無菌遮断の損傷リスクが高くなります。パッケージシステムに外側パウチを追加する場合、適切に装着できたとしても、パウチとデバイスが動く分、棚カートンのスペースが広くなってしまいます。余計な動きは、シールクリープなどのシールの問題が起こる可能性を高めます。したがって、パッケージングシステム内でデバイスがどのように動くかは、常に懸念と検討の材料となります。
パッケージングシステムに関して私が常に考慮するもう一つの設計上の検討事項は、使用する材料ですが、これは特に二重無菌遮断システムでは重要です。デザインだけでなく、材料がどのように相互作用するかも検討します。テストで不具合が起こった結果、二重無菌遮断をリクエストされることがあります。不具合を認識した顧客は、さらなる保護を求めるのです。しかし、二重無菌遮断にしただけでより安全なパッケージになるわけではありません。48gaポリエステルベースのフィルムを使用して、保護を強化するために二重パウチシステムの使用を検討しているとします。追加の遮断に対応するために、余分なスペースと動きが必要になるため、レイヤーを追加してもすぐに相殺されてしまいます。この傾向は重いデバイス、または特に高さのあるデバイスほど、より顕著になります。適切なフィット感と材料を選択することで、問題を簡単に解決し、障害を軽減できることを強調するのが重要です。使う材料やサイズが適切でないことがしばしばあります。これは、顧客がソリューションとして二重パウチに変更するときに起こりがちです。
結局のところ、無菌遮断システムを一重にするか二重にするかについては、正しいも間違いもないと思います。しかし私の意見では、テストに合格するかどうかを心配して二重無菌遮断システムを採用するよりも、適切な材料を選択し適切にフィットした一重無菌遮断システムを採用したほうがいいでしょう。医療機器の市場投入経路はどれも独特であるため、どの方向へ進むべきかを決める前に、それぞれを個別に検討し、長所と短所を見極めることが重要です。