医療機器技術、材料、および製造機能における技術革新は、サプライヤである私たちとMDMの協力関係に影響を与え続けます。これまで以上に厳しくかつ細かくなっている規制要件とグローバル市場も、MDMがパッケージングされた医療機器をどのように生産する必要があるのかに影響を与えます。こうした機会と制約の中で、調達部門の社員はグローバルなサプライ・チェーン全体に関するあらゆる詳細を調整しなければなりません。動的な環境と言うほかありません。
サプライヤを一社購買にすることで、規模の経済性が実現され、年を追って複雑さが減少するため、好ましい状況が維持されます。しかし、この状況の大部分は、2012年に発生した特殊な状況への緊急対応によってもたらされたものかもしれません。生産コストの削減に特に注目します。
歴史を見てみると、手掛かりが見つかる場合があります。2012年、医療費負担適正化法（ACA）により、米国で販売されているすべての医療機器に2.3%の医療機器物品税が課されました。この大打撃によって当然のことながら大混乱が起こり、MDMは税金を埋め合わせるために、考えられるありとあらゆる方法を模索しました。
こちらの2013年の業界向けニュースレターの記事で説明されているように、考え方は明白でした。
製造業者がこれらの目標を達成できる1つの実用的な手段は、サプライヤ基盤を統合することです。製品を市場に送り込むのに高いコストがかかる部分は、コンポーネントの製造を複数のサプライヤから委託していることが原因であると考えられます。
コンポーネントのコストに加えて、一社からの部品調達によって「これらの複雑な関係の管理」にかかるコストは上がり、サポートを強化するがあまり、同じ一社による「生産時間の低下」にもつながりました。この時期に現場にいた人であれば、この税金が戦略上の意思決定にどれだけ深刻な影響を与えたか記憶にあるかと思います。
2015年の物品税に関する一時的停止によって、MDMは莫大な経済的負担から解放されました。12月号のフォーブス誌によると、2020年に完全に撤廃される可能性が高いそうです。このコストのかかる債務を排除すれば、メーカーがアジリティ、セキュリティ、およびリスクにおけるサプライヤの多様性の付加価値を再検討するきっかけになります。
多くの場合、MDMのサプライヤの多様性イニシアチブは、事業継続性とレバレッジの2つの懸念事項を軽減しようとするものです。
事業継続性の観点から見ると、複数のサプライヤを抱えていると、1つのサプライヤで供給側の問題（樹脂不足、施設への影響、労働問題など）が起きてもリスクが少なくて済みます。そのサプライヤの影響を受けたパッケージング・コンポーネントに合致する機器の問題はありますが、少なくともリスクは抑えられます。
レバレッジの観点から見ると、MDMは類似製品に対して複数のパートナーと提携して関係を維持し、供給基盤の中で魅力的な価格へインセンティブを付与しようとします。サプライヤ間で数量が変わる恐れによって、不要なものが増えないようにしながら、交渉力を得て、生産性を向上させる機会が広がります。
チームはサプライヤの多様性にどのように対応していますか？減税のすぐ後、または会社の戦略的計画および根拠の一部であるかに関係なく、サプライ・チェーンと部品調達部門が今後10年でどこに向かうのかについて、ぜひご意見をお聞かせください。
