医療パッケージングにおいて、当社はコンプライアンスと品質を重視することがよくありますが、これは当社製品がヒトの健康に直接的な影響を及ぼすからです。食品と消費財のパッケージングに数々の新たなトレンドが生まれていますが、消費財からのハイテク・パッケージングの一部を私たちのより「深刻な」ニーズに適応させることができるとしたらどうでしょう？
誤解のないように言うと、すべてが甘いお菓子パックの設計から始まるわけではありません。医療パッケージング分野から直接出現した高度な科学技術ソリューションもあります。たとえば、新科学から生まれ、持続可能性の向上を目標とする新型プラスチックを受け入れる準備はできていますか？
スマート・ポリマー
近年、環境に対する懸念によってパッケージングにおける従来型のプラスチックの未来が脅かされる一方で、合成ポリマーの非生分解性がますます注目を集めています。グリーン・ケミストリーの12箇条は、より安全なプラスチックの業界の入門書として1998年に導入されました。
その目標は、効率を高め、プラスチックの生産において環境に及ぼす有害な影響を最小限に抑えることでした。この原則は、2000年代前半まで、よく知られた業界ガイドとして早々に支持を獲得しました。最近になって、化学エンジニアは、紙に焦点を絞ることは時代遅れではないものの、科学における需要や環境責任の現実に対処する上で不十分であることに気付きました。
それに応じて、科学者や化学者は、持続可能性やポリマーの熱力学的性能などの目標を達成するための新しい方法を模索してきました。今日では、有益な測定基準やツールを目指して、新たな調査が進められています。この調査には、フィルム、バイアル、ピルなどの保護性能の変化に耐えられる「活性」ポリマーに関する、ハイテクの相互作用コンポーネントを使用した研究開発が含まれます。湿気をなくすことができるポリマーを想像してみてください。たとえば、経口薬のボトルの場合、乾燥剤が不要になります。あるいは、パック内の病原菌を取り除いたり、医療機器を滅菌したりすることができるフィルムなどです。ブリスター・パックですら新型の活性ポリマー技術に適合し、動力学的操作を使用してパッケージ内の環境や湿気の制御します。ヒート・ステーキング・プロセス、ハイテク接着剤および接着剤を使用しないポリマー技術が出現してきており、特性や医療パッケージングに対する当社のアプローチを変化させています。
可食パッケージング
普及している最もスマートなパッケージング技術の1つは、食品業界に端を発しています。2020年のロンドンマラソンでは、ランナーが救護ステーションを通過する際に、海藻由来の可食キューブ内にスポーツ飲料が入った小さなプニプニした容器がランナーに手渡されました。その容器は捨てられても、1か月以内に完全に生物分解されます。ランニングまたはサイクリングのイベントを見たことがある人なら、喉が渇いた参加者が何千個もの飲料カップを置きっぱなしにする様子をご存知でしょう。
同様のトレンドとして、よく使われるブイヨンのパックに豆タンパク質由来の可食パッケージを使用した、英国で人気のミール・キットのGousto Recipe Boxが発売されました。この植物性タンパク質ポリマーには、お酢を含むプロセスで作られているでんぷんも含まれており、最終製品に残りません。透明なラップは、輸送フェーズや保管フェーズ中は遮断特性を発揮し、調理中に溶けます。
これらを事前充填医薬品の市場に移行させることは可能でしょうか？湿気や温度を考慮すると、乗り越えるべきハードルは存在しますが、技術革新が現在のスピードで進めば、成功が期待されます。
超スマートな積層造形/3D印刷（3DP）
積層造形は、デジタル設計へのインプットを通じて、超大型「プリンター」で何層も重ねて印刷して3次元の物体を製造するという、ちょっとした気まぐれで始まりました。それは昔の話で、今は状況が異なります。今日の都市部の廃水処理施設や沿岸環境局は、3DPを利用して、廃水から毒素や汚染物質を除去することができる次世代の水のろ過膜を製造しています。
全く異なってはいるものの、医療パッケージングは絶えず特有の課題を提示しています。パッケージング・システムのあらゆる要素は普遍的に適用できますが、デバイス固有の要素が少なくとも3つ以上あります。3D印刷のパッケージング・コンセプトのメリットを検討して、複数の材料を結合できるかどうか（および正確なプロトタイピングまたは検証とテスト生産におけるコスト削減）について考えてみましょう。
最も複雑なパラメータを難なく調整できることから、3DPは私たち全員にとって重要なツールとなっています。医療技術コミュニティやそのパッケージング・パートナーが、3DPを通じて技術革新を実現する方法を探ることはエキサイティングなことです。
