医療パッケージング業界には、たいてい無菌遮断システムが存在します(規制で義務付けられている)。滅菌の考え方、すなわちは滅菌の必要性は古くから存在します。1800年代の中頃、微生物学の生みの父の一人と認識されているルイ・パスツールは、微生物が食品汚染の根本的原因であることを明らかにしました。ルイ・パスツールは微生物を殺す方法として加熱を取り入れました。食品から医薬品、そして医療用のパッケージングに至るまで、この同じ滅菌の理論が繰り返し何度も展開されてきました。
この簡単な例はすでにお馴染みでしょう。新型コロナウイルスの大流行の後ですから。キッチンのカウンターを拭いたり、清潔な布巾を考えてみてください。清潔な布巾は確かに表面から汚れを取り除きます。これに対し、「ウイルスとバクテリアを99.9%殺菌」と書かれた消毒用ティッシュやクリーナーを使えば、カウンターを滅菌したことにもなります。
では、無菌遮断システムに話を進めましょう。無菌遮断システムとは何か、ヘルスケア・パッケージングにおいてなぜ非常に重要なのかを見てみましょう。無菌遮断システムはISO 11607の中で定義されています。ISO 11607では、無菌遮断システムで使用される材料およびシステムそのもの、および使用場所(通常は医療施設、手術室、ラボ)まで滅菌性を維持することを意図した事前成形の無菌遮断システムとパッケージングシステムに対する要件とテスト方法が規定されています。
無菌遮断システムについては、そのシステムが果たす役割の詳細を理解する必要があります。定義では、無菌遮断システムは微生物の侵入リスクを最小化し、滅菌対象の無菌での提供を可能にします。しかしながら、SBSのことになると、一次パッケージングとこれより徹底したSBSの違いを理解することが重要です。無菌遮断システムはパッケージ全体の滅菌を必要とするの対し、主要無菌遮断は機器やコンポーネントを安全に保つ滅菌パッケージングです。SBSが、トレイ内に複数のデバイスが含まれる手術キットであるとしましょう。パウチの中にトレイがあります。キット全体をそのまま滅菌すると、SBSとなります。
ここで全体の滅菌を必要としないキットを考えてみましょう。キットにあるコンポーネントを1ないし2個だけ滅菌すればよいだけす。小さな滅菌パウチに入れ、トレイに入れて、大きなパウチに入れましょう。この場合、第一の無菌遮断対象は小さな滅菌パウチです。
最後に、ISO 11607には別のタイプのSBSもあります。事前成形の無菌遮断システムです。事前成形のSBSは、一部を組み立てた状態で提供し、充填後に最終的な密閉またはシーリングできるようにした無菌遮断システムです。例えば、3面がシーリングされていて、充填とシーリングのために4面目が開いたままになっているパウチなどです。
詰まるところ、あらゆる種類の滅菌済み医療パッケージングの最大の目的は、患者の安全にあります。これは大きな責任であり、非常に厳しく規制されているのはそのためです。そしてパッケージングはそのプロセスの一部にすぎません。