先週の記事では、コールドチェーン輸送と極低温輸送の違いを解説しました。今週は、温度に敏感なパッケージングの実現を難しくしている要因について見ていきます。
温度に敏感なパッケージングが難しい理由
従来の無菌遮断パッケージングと極低温パッケージングの違いは、温度だけではありません。従来の無菌遮断システムは、主に無菌状態を維持し、保管、取り扱い、輸送中の物理的な損傷から製品を保護するように設計されています。保管中に温度を制御しても、パッケージング材料自体は、一般に通常の環境条件内で機能します。
とりわけ極低温のような温度に敏感なパッケージは、これまでになかった新たな課題をもたらします。ポリマー、接着剤、ラベル、緩衝材、フォーム、シール、キャップを含むすべてのパッケージング材料は、-196°Cに近い温度に長時間さらされた後も、機能し続ける必要があります。この温度では、多くの一般的なパッケージング材料の機械的特性が極端な条件下で大幅に変化します。潜在的な故障モードには、以下のようなものがあります。
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ポリマー脆化
- 亀裂
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コールドショック
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剥離
- 接着剤の不具合
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シールの劣化
- 耐衝撃性の低減
- 材料の収縮
したがって、パッケージングエンジニアは熱性能だけでなく、超低温にさらされた後もパッケージング材料が適切な機械的保護を提供し続けるかどうかも評価する必要があります。
コールドチェーンおよび極低温パッケージをテストする
温度管理されたパッケージは、環境および流通の危険の両方に対して完全性を維持しなければなりません。そのため、パッケージの適格性評価には、通常機械的および熱的性能テストの両方が含まれます。
流通テストは、ASTM D4169およびISTA 3シリーズ試験プロトコルを含む業界で認められた標準規格を使用して、振動、衝撃、圧縮、高度、および取り扱い時の事象などのリスクを評価します。これらの評価は積荷が温度管理されているかどうかにかかわらず、出荷システムが実際の輸送に耐えることができることを確認します。
温度適格性では、予想される輸送期間と環境条件全体で必要な温度を維持するパッケージの能力に焦点を当てます。ASTM D3103やISTA 7D/7Eなどの標準規格では、実際の流通環境をシミュレートした制御された温度プロファイルの下で、断熱輸送システムを評価します。
極低温システムでは多くの場合、認定には標準的な温度試験を上回る水準をクリアする必要があります。エンジニアは、液体窒素温度への曝露後にパッケージング材料がどのように挙動するかを見極めるために、追加の評価を実施する場合があります。材料の特性評価には、ひび割れ、脆性、剥離、シールの完全性が含まれ、熱コンディショニング後の全体的なパッケージ機能が評価基準に追加される場合があります。
流通テストと熱性能適格性評価を組み合わせることで、パッケージングシステムが定義された条件下で流通全体を通して一貫して必要な温度範囲を維持しているという確信が得られます。
将来を見据えて
先進治療の未来は、世界中の患者にこれらの治療を安全に届けられるかどうかにかかっています。軽微な温度逸脱であっても、不可逆的な結果をもたらす可能性があります。製品が目視でもはっきり凍結していると分かる状態では、使用性能がすでに損なわれているおそれがあり、貴重な臨床材料や、代替できない個別化された患者治療が失われます。
細胞療法、遺伝子療法、個別化医療が普及し続けるなか、パッケージングエンジニアは、流通全体を通して製品の品質を保証するうえでますます重要な役割を果たすことになります。パッケージングシステムの成功には、機械的耐久性、熱性能、規制コンプライアンス、患者の安全を検証済みの単一のソリューションに統合する必要があります。