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進捗と落とし穴 - 規制の進展に関する世界の見方

著者:Katie Scharff | 2023年6月13日 15:47:00

第1部 - 米国およびヨーロッパの動向

消費者規制および規制当局の世界史が、消費者が口に入れる物つまり食品と医薬品から始まったことは、驚くには値しません。いくつかの世界市場と正式な製品規制への参入に目を向けると、食品、飲料、医薬品にまつわる、引き金となった事故や損害を知ることになります。パッケージングの優先順位は、特に医薬品や医療機器の場合、規制当局の監視下に置かれるまでに時間を要しました。一言で言うなら、最もよく表しているのは、パッケージング・ディレクターで現在は引退しているNicholas Berendt氏が医薬品・医療機器メーカーに向けて嘆いた、「医療パッケージングはほこり除けではない」という言葉でしょう。幸いにも、規制当局も含め、誰もがパッケージングの重要性を理解するようになり、世界各地のヘルスケア業界で保護と安全性の向上への道が開かれました。

規制当局の対応

議会は、抗毒素やワクチンなどの生物学的医薬品の安全性と純度を監視するために、どのような規制を整備すべきかについて議論を開始しました。その結果、制定されたのが1902年の生物製剤管理法です。この法律は、新たに創設され、科学者1名が配属された米国農務省化学局の管轄下にあり、これらの製品を製造または販売する施設に対して、年1回の認可検査を義務付けるものでした。

規制法の発展

この法律の施行は、米国のPublic Health and Marine Hospital Serviceの衛生研究所に任されました。この衛生研究所はNIH(国立衛生研究所)の前身です。その後30年の間、化学局は何度もその特性と形態を変え、1979年には米国食品医薬品局となって監督規制機関として機能し始め、1人だった職員も今日では18,000人を超えています。

パッケージングに関する規制

興味深いのは、パッケージングに関して、規制当局が最初に取り組んだ課題がラベル表示だったことです。1966年の公正包装ラベル表示法では、事実に基づいた情報の表示を義務付ける基準が定められ、1970年には患者用添付文書の添付が始まりました。合法的ではあっても、確証のないクレームが無数にあり、死に至るケースも少なくなかったことを考えると、内容物の滅菌状態を保護する手段としてのパッケージングが注目されるのは、まだ先のことでした。こうした議論は、医療機器の製造に関して、ヨーロッパで始まりました(後述の「欧州連合」をお読みください)。

FDAによるISO 11607-1および-2:2006の発行は、医薬品と医療機器のパッケージングが大きく注目される新時代の幕開けとなりました。最新版のISO 11607-1および-2:2019は、次の見直しが開始されようとしている現在も依然として有効です。

英国/イギリス

きっかけとなった出来事

英国は数十年前から食品規制を掌握し、時代の先を行っていることを自ら証明していました。しかし、健康上の不安とは異なり、英国が食品規制を設けるきっかけとなったのは、1850年代に飲食物、具体的に言うとパンとビールへの異物混入に対する「国民的不安」でした。ビール醸造元や製パン会社は、主要原材料を代用品で「希釈」して製品の供給量と収益の双方を高めようとしましたが、こうした代用品は消費者にあっけなく見抜かれ、抗議行動が起こり、政府の介入を招きました。

規制当局の対応

正式な調査の結果、議会は1860年にAdulteration of Food and Drink Actを制定しました。この法令は、1875年のSale of Food and Drugs Actで改正され、医薬品も対象とするよう拡大されました。

最初の規制機関

『The Food Drug Cosmetic Law Journal』の歴史的記録を読むと、議会の政務官が法の施行を担う規制官として機能していたことがわかります。その役割を限定する文言は、この法の「広範な原則が施行を困難にする」ことを指摘し、自発的な協力を促すことを目的として「施行者と被施行者」の双方に情報を提供するために「多くの判例」の有効性に言及するものでした。1875年のSale of Food and Drugs Actは、1968年のMedicines Actにすべての医薬品製造規制が移管されたことを除き、英国近代の食品と医薬品に関する法律のDNAとして現在も残っています。

最近の規制当局

今日、医薬品と医療機器の標準規格は、医薬品医療製品規制庁(MHRA)が管理しています。その管理の明確性に疑問を呈したのがブレグジットでした。2023年3月16日、英国は、FDAのような外国の信頼できる規制当局を根拠として医薬品と医療機器の承認を迅速化するために1,000万ポンドを確保しました。2023年4月27日、MRHAは、医療機器とパッケージングの承認に関する規制基準を完全に確立するためには、さらに多くの時間が必要だと発表しました。このタイムラインは策定途上です。

パッケージングに関する規制

最初の記述は、ブレグジット前の英国にも影響を与えたEU MDRのパッケージング要件に関するものです。パッケージングは依然として医療機器の「付属品」と定義されています。ラベル表示要件は、EU MDRで詳述されています。ブレグジットに伴い、英国はISO 11607に注意を向けつつ、持続可能性も重視しています。現在、4つの公認機関が英国の認定を受け、薬物およびデバイス製造業者のコンプライアンスを確認しています。

欧州連合

きっかけとなった出来事

欧州連合は、その歴史が比較的短いため、規制への取り組みで「きっかけとなった出来事」そのものを経験していません。それでも、欧州連合はヘルスケア製品の製造とパッケージングの慣行の進歩に大きく貢献してきました。

規制当局の対応

米国FDAがISO 11607-1および-2:2006を発行したことで、医療機器のパッケージング標準規格の動きが活発になる中、パッケージングという「付属品」に的を絞ったのはEUの1993年医療機器指令でした。その役割と要件は、医療機器製造における国際的調和の先陣を切るものであり、最初は加盟国間で、その後は加盟国以外の国々でも基準となりました。

EU MDR 2017の発行は協力と専門知識の成果であり、加盟国に加え、その他の国々でも医療業界の環境を一変するものでした。国際的調和の取り組みも本格化し、現在も継続されています。世界各地の規制当局や機関との革新的な議論が、安全な慣行と高品質のヘルスケア製品を進歩させ続けています。

パッケージングに関する規制

医療パッケージングは、EU MDRで医療機器の「付属品」に分類され、最終的なパッケージングが施された医療機器に関する米国FDAのISO 11607-1および-2標準規格に沿って規制されており、世界的調和が図られています!

目的地ではない

規制の道のりは長く、たくさんの物語があります。新たな健康上の懸念、汚染、失策に直面するなど、抗いようのないこともあります。人々の健康を脅かす脅威を克服するとき、治療のギャップを埋めるとき、治療を受けるための新たな方法を提供するときは、心躍ります。製造業者、パッケージングの専門家、そして規制当局が世の中のために協力すれば、その道は未来への安全で快適な旅になるはずです。