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医薬品製造に技術革新をもたらす成形同時充填技術

著者:Alyssa Flaschner | 2019年12月17日 20:39:00

成形同時充填(BFS)製造技術の注目度が増す中、製薬および生物製薬会社は清浄度にまつわる新たな課題に向き合うことを迫られています。

成形同時充填(BFS)無菌製造プロセスにより、複数の重要な製薬工程が1つの合理化された自動化システムに統合されます。BFSプロセスの最初の工程で、プラスチック材料またはガラス材料を型に押し出して単回投与容器を形成します。  次に、液状薬剤をこの容器に充填して、直ちに外部環境から密封します。これがすべて1つの統合されたプロセスで行われ、人の介入を必要としません。

このプロセスを統合する企業が増えるにつれて、微粒子汚染および生物汚染の厳格な管理を維持することが課題となっています。このプロセスによりヒトへの汚染のリスクは解消されますが、BFSと同時に容器を形成することで、材料を押し出してカットするときに微粒子が新たに発生してしまいます。他の製造プロセスでは、容器は生産ライン外で形成されるので、蒸気熱またはEtOで最終的に滅菌した後に薬剤と接触させることができます。BFSプロセスでは、これらの工程が同時に行われるため、充填前に容器を滅菌することができません。

1つのソリューションは、容器を形成後に高圧滅菌空気で清浄して、浮遊微粒子を除去することです。滅菌された薬剤製品と容器が環境条件にさらされる製造エリアは、「クリティカル・エリア」と呼ばれます。薬剤が患者に届けられるまでの間に再び滅菌されることはないため、このエリアは高度な滅菌レベルを維持する必要があります。FDAの業界ガイドラインである『Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing--Current Good Manufacturing Practice』では、微粒子計測プローブをクリティカル・エリアの近くに配置して空気サンプルを継続的に採取し、さらに高性能微粒子空気(HEPA)フィルターをクリーンルーム環境に導入することが推奨されています。

成形同時充填技術は、製薬業界にとってますます信頼性の高まる、絶好の機会ですが、それは、技術革新によって1つの問題が解決されるとそれが新たな課題を生み出すという格言の証しでもあります。